最近読んだ本の一説に興味深い一文がありましたので、それについて少し深堀して考えてみたいと思います。
教育ジャーナリトのおおたとしまささんの著書です。名門校の先生方達にインタビューして書いた本のようで、名門校の先生たちからのアドバイスもしっかりと載っております。
失敗しない中学受験塾選び⑧スパイラル方式が合わない場合は転塾すべきか!?
スパイラル方式とは?
スパイラル方式とは。そうです、スパイラル方式の代表的な塾で言うとSAPIXですよね。SAPIXは復習主義であり何度も何度も繰り返し同じ単元が出てくることにより理解を深める学習法。ですので、はじめて習った時はふんわりなんとなく、「あ、これ前にやったよね?」程度の理解度でいいそうです。後からまた出てきた時に理解できれば良いです。という学習方針ですね。でも、これ違和感ありません?特に文系のママさんなら共感いただけると思うのですが、スパイラル方式でつまづいてしまうとどんどんその教科が苦手になるだけ。な気がしませんか?
以前の記事でも書いておりますが、私はSAPIXの前身の塾、TAP中学部の卒業生です。今ではSAPIXは代ゼミグループとなっていますから、SAPIXでも小学部と中学部だとまるで違う組織のような気がしてしまうほど経営方針や教育方針も違うようですが、しいて言うならサピックス小学部は分裂したグノーブルと似ており、サピックス中学部は代ゼミ寄りですね。私が通っていたTAPは中学部でも今のSAPIX小学部と教育方針は似ていると思います。サピックスのスパイラル方式と言えば元々はTAPが編み出した手法です。
今思い返してみると、私的にはこのスパイラル方式は合わなかったのだろうと断言します(笑)だったら何で子供をSAPIXに通わせているのよ?と言う話なのですが、それは後程。
私は、一般的な女子に多いタイプの、勉強とは真面目にコツコツと基礎から順に応用へと進んでいかないと理解ができない女子だったんですね。ですので、漢字や習っていた珠算などコツコツと地道に黙々と積み重ねてやる作業は得意。しかし、今で言う閃きが必要な思考系問題と言いますか、何となくふんわりと頭の中の引き出しにしまってある知識たちを引っ張り出して、自分なりに組み合わせて答えを導くような理数系の問題は苦手でした。ひとつひとつ段階を踏んで理解しないと先に進めないわけですよ。理解していなくても、後でまた出てくるから大丈夫だよと言われても、不安で仕方ないし、先に進めないわけです。その為、自力で基礎からやり直したりしてとても時間がかかってしまう。まさに負のスパイラルだった気がします。今でも覚えていますが、TAPでも何度も何度も繰り返し苦手な図形が出て、そのたびに毎回わからなくてとてつもなく辛かったことを覚えています。
スパイラル方式に合う子とは?
この本の一説にこんなことが書かれていました。日本の教育とは元々男子中心の教育だった。ですからこのスパイラル方式に合うのは男の子なんだそうです。それぞれの単元を完全に理解していなくてもとりあえず先に進んで、何度も繰り返すことで定着させていくという。このスパイラル方式は、女の子には全く合わない方式なんだそうです。衝撃でしたし、なんだかスッと積年の胸のつかえがとれたような気さえしました。まぁ、私の場合は単純に勉強不足だったという面も多々ありますが。
女の子は、男の子と違って基本マジメだからひとつひとつ理解しないと次に進めない性質の子が多いようです。しかしその先生曰く、現場で教えていても女の子でも男の子のようにスパイラル方式がピタっとはまってパーッと解ける子ももちろんいるそうですが、全体の1割程度だそうです。なるほど、息子の同級生でもとても算数が出来る女子がいますが、彼女はきっとこの1割に当てはまる女子ですね。きっと。
スパイラル方式が合わない場合はどうするか?
ではお子さんがこの1割に入っていなく、スパイラル方式が合わない場合はどうするのか?ですよね。このスパイラル方式が合わない場合は、やはり理解してから次に進むという解決策しかないですよね。この本でも寄り添って教えてあげれば女子は伸びますと書いてありました。中学受験の場合、まだ低学年~中学年の場合で親御さんに余裕がある場合は、パパ塾・ママ塾で手厚くコツコツとわかるまで丁寧に教える。外注する場合は個別指導や家庭教師をつけるという方法ですね。もう完全にサピックス自体が合わなくて、転塾する場合は、グノーブルなどサピックスよりもう少し規模が小さく面倒を見てくれるところでしょうか?(とはいえ、最近グノーブルも大規模化していますね。別館が続々と建っています・・・大人気ですね)
サピックスは、家庭でやる負担が多い塾です。ですのでスパイラル方式は、家庭での負担が大きいカリキュラムなんだと思います。ある程度自走できて家庭でも自主的に勉強できるタイプの子や、親御さんがきっちりフォローできる場合は、スパイラル方式は肌に合うのだと思います。
男女の特性を活かした別学教育
このスパイラル教育はあくまで例になりますが、やはり男女それぞれに合うカリキュラムというものがあるのだと思います。最近では共学校でも科目によって男女別に分かれて授業をするような学校もありますから、男女それぞれの特性を活かして理解度を深めるカリキュラムはとても理に適っていますよね。
サピックスも、6年生になったら志望校別特訓が始まりますから、そうなると自然と男女分かれての授業となりますね。男女それぞれの性質を理解して伸ばそうというカリキュラムは子供の理解度も深まり成績自体も伸びそうですし、子供的にもストレスの少ない授業になるでしょうね。
まとめ
男子である息子に、サピックスのカリキュラムやスパイラル方式が果たして合っているのか?と言うと、もう少し高学年に進級してみないと何とも言えないとは思います。理解度が足りていない段階で、なるべく次の授業までには弱点をキャッチアップしておくということが必要なのかなと思います。